乳と卵より、愛と幻想のファシズム
本を作るために日々、様々な本や資料と戦っているんだけど、その中の一つとして再読した、”愛と幻想のファシズム” by 村上龍 に今さらながら衝撃を覚えている。

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1990年に出された本なんだけど、その中で描かれる世相が18年たった今と極めて似通っていて正直怖いくらい。

ストーリーの中で失業率は6パーセントを超え、外国資本に国内はメタメタにされ、希望を失った若者は精神を病むか犯罪者に。自殺率は最悪。

そんな中登場した主人公、鈴原冬二率いる”狩猟社”

鈴原冬二、そして狩猟社はこんな世界にしてしまった者たちに戦いを挑む。この世界を狂わせたまだ見えぬ巨大なものに。。。



昔はこの本を熱中して読んだんだけど、今、改めて見ると、ちょっと、そりゃ、あんまりにも暴論だよ・・・とついていけない感じがあるというのも正直なところ。

でも、この本の内容は若い時にはまるで麻薬のように見事に染み入る。
正直、かなり危険な内容であると言えると思う。

でも、それを置いておいてもこの本において徹頭徹尾、貫かれる思想には僕は賛同できる。

それは、”自分の力で生きれないものは去れ”ということ。

そして人間は自分にあった好きな生き方をしないと死んでしまうということ。

この二つにはいつまでたっても共感できる。


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芥川賞受賞で、乳と卵の川上未映子さんが何かいつも最近のパターンで、たいして美人でもないのに、美人とか言って騒がれて(いや、失礼、美人の範疇には入ると思います。)、いつものように、話題性のために安っぽく祭り上げられているけれども。。

今、このやばい時代、愛と幻想のファシズムみたいな本を読んでゾッとするほうが人生においては薬になる気がする。その毒性があまりに強いから。

そして愛と幻想のファシズムを再読して、今は毒にも薬にもならない文章や音楽といった内容のないものばかりがリリースされる、そんな軽薄な時代なんだなあと改めて思ったんだよね。

逆に、みんなでいっせいに現実逃避しているようにも思えたり。

でも、それもまたありかなと思う自分もいるんだけどね。

ちょっとは逃避したいしねえ。

毎日、きっついもんなあ。

いいかげんな僕なんかでもきついんだから、みんな、もっと大変でしょう?

お互い、がんばりましょね。




※ちなみに、乳と卵は読みましたが、けっこう面白いです。ダダダダっと無酸素呼吸で行くような文章を僕もよく使うので、いいなあと思いました。
ただ、ダメな人は完全にダメみたい。町田康と一緒で完全に好き嫌いがわかれる文章。ただ、内容は、ほぼない。それが正直なところかな。

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選考委員の論評のところで、石原慎太郎が、これでもかというくらい、この作品をこき降ろしていて、それもまた正直面白かった。

最新の文芸春秋に載っているので、これだけでも読んだほうがいいかも。
普通ここまで言われたらへこむよ。あーた。

もうボコボコ。

それぐらい、ある世代、感性の人にとってはこの作品は許しがたいみたい。
でも、他の選考委員、山田エミとか、池澤夏樹とかはべた褒め。

ふーむ。





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by freestyle-life | 2008-02-19 13:52 | フリスタライフ
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